近年注目されている【育脳】って?脳に適度な刺激を与え育む方法

近年注目されている【育脳】って?脳に適度な刺激を与え育む方法

育脳(いくのう)とは、特に赤ちゃんから3歳頃までの幼児期に、脳にたくさんの刺激を与えて脳を育てることをいいます。

自分の子どもには勉強ができるだけではなく、生きる上での器用さを身につけて欲しいと願うもの。

脳の発達に重要なシナプスの生成が急増する時期に、前頭前野の働きを鍛えることで、そういった「頭の良さ」を身につけることができるとされています。

この記事では、子育てをする上で知っておきたい育脳の基本的なメソッドとしてはいけない注意点について紹介します。

目次

知能と頭の良さを伸ばすには

頭の良い人は、IQの高さだけではなく、問題や課題にぶつかったときに物事の本質を捉えて、適切な行動で解決する能力を身につけています。

そのような能力は、脳の中の「前頭前野」というさまざまな情報を処理し、ワーキングメモリーを保持する部位の働きによって決まります。

前頭前野の働き

考える
記憶する
判断する
応用する
アイデアを出す
感情をコントロールする

「記憶力が良い」「計算が速い」といったことだけではなく大人になってからも、社会生活を充実させて前向きに生きていくためには、前頭前野を鍛えて働きの良い状態をつくることが大切です。

脳は生まれてから1歳前後の間に一気に成長するので、知能の発達にはこの時期と深い関わりがあるといわれています。

3歳までの育脳が重要な理由

脳に刺激を与えると「シナプス」という繋ぎ目が作られ、神経細胞どうしが繋がり、神経回路が働くようになります。

見る・聞く・おもちゃを触りなめるといったさまざまな経験がシナプスをつくる刺激となります。3歳頃までは、このシナプスが急増する重要な時期なので、育脳に最適です。

ただし、もし3歳を過ぎていたとしても人間の脳は刺激を与えることで、一生成長を続けることが可能です。

決して遅すぎるということはないので、安心してその年齢からできることを取り入れてみましょう。

育脳に必須のポイント

絵本の読み聞かせなどの知能を上げる刺激のほかにも、バランスよくいろいろな感覚刺激を与えることが良いとされています。同じくらいの月齢・年齢のお友達と遊ぶことも社会性をはぐくみます。

発達に合わせる

寝返りを打つ・首が座る・お座りができるようになるといった発育のスピードは、赤ちゃんによって個人差があります。焦らずにちょうど良い時期に合わせてふさわしい刺激を与えましょう。

繰り返し同じ刺激を与える

例えば「いないいないばぁ」といった定番の簡単な遊びも、ワーキングメモリーを鍛えます。1回きりではなく毎日繰り返すことで、シナプスで繋がった神経回路を強化します。

各分野をバランスよく鍛える

知能…絵本・型はめ遊び
手指…掴む・こねる
身体…足をバタバタ・ハイハイ・歩く
感覚…リズムに合わせて体を動かす
社会性…ほかの子と遊ぶ・コミュニケーション

ひとつのことだけではなく、まんべんなく刺激を与えることで、脳のどの領域も活発に働くようになります。

上手にできたら褒めてあげる

うまくできたら褒めてあげることで、自己肯定感を高めてやる気を引き出しましょう。脳内麻薬といわれるドーパミンが分泌され、前頭葉が働きます。

大げさに喜ぶと驚かせてしまうので、できるだけふつうのトーンで「よくできたね〜」と褒めてあげて下さい。

叱ったあとは抱きしめる

悪いことをしたら「ダメ!」と叱って、してはいけないことを教える必要があります。しかし叱られたことを感じて不安になることも。

叱った後は、優しくギュッと抱きしめて安心させてあげましょう。信頼感が深まります。

育脳でやってはいけないこと

育脳に取り組む際に、子どものためを想っていても、やり過ぎると逆効果になることもあります。過度な刺激を与えないよう無理は禁物です。

生後0〜2ヶ月は余計な刺激はNG

生まれてからの最初の3ヶ月間は、体の動きを自分の意志ではなく、さまざまな「反射」が起こることで脳が学習している大切な時期です。

ギュッと抱きしめたり積極的に何かを教えようと無理な働きかけはしないようにします。

おむつを替える・お風呂に入れる・ミルクをあげるといった毎日のお世話で十分です。この期間は優しく話しかけ、日常の生活音を聞かせて環境に慣らすことを意識して下さい。

無理強いをしない

本人が「楽しい!」と感じないことは続けることが難しいです。大人でも気分が乗らないことは頻繁にありますよね。嫌がっているときは少し時間をおいてまた後日試みましょう。

育脳であらわれる効果

育脳を意識して子育てをした親御さんたちの口コミをまとめました。

①生後2ヶ月から意識して育脳に取り組みました。3歳になった今、話す一文の長さがほかのお友だちより長いように感じます。きちんと理由を考えて「これは◯◯だから、こうなるんだね」と話します。遊びながらも考えている様子に感心します。

②第2子を出産した時に知りました。同じ月齢でも、周りのものに興味を示すことが多いです。家族以外の人にも愛想が良く、明るい子に育ってくれていると感じています。

③幼い頃にゲーム感覚で数字に親しんだことで、小学校に入学してからの九九の暗唱などもとても覚えが早かったです。自分から「算数が得意なんだよ」と話すようになり自信がついたようでした。

脳を育てる育脳まとめ

育脳は、近年注目され始めた脳科学に関連する言葉なので、まだあまり聞き馴染みがない方も多いかもしれません。

親が子どもに与えられる贈り物は、自分で生きていく力と自信を身につけさせてあげることですね。

育脳はそのために必要なメソッドのひとつとして取り入れてみて下さい。ゆっくりと続けることが大切です。

5歳頃からは、知能を育てる少し複雑なワークができるようになるので、数や量の感覚をお菓子を使って生活の中で覚えたり、英語学習を始めるのに適しています。

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